
GMTマスターII GMT MASTER II
航空技術の発展に伴って路線の拡大が進んだ1950年代に、世界各地へフライトする航空会社のパイロットに向けて作られた、プロフェッショナルスポーツモデルが「GMTマスター」です。24時間表示ベゼルと24時間針を搭載し、ローカルタイムとホームタイムの2つのタイムゾーンが同時に一瞬で読み取れます。1983年には、24時間表示ベゼルと24時間針に加え、独立で操作できる短針によって、最大3つのタイムゾーンが表示可能な「GMTマスターII」が追加されました。
現行モデルは、2007年に登場したGMTマスターII「116710」。”GMT-MASTER II”ロゴと24時間針が、ロレックスのコーポレートカラーのグリーンで彩られ、ブラックベゼルとブラック文字盤が組み合わされた「116710 LN」と、黒と青で色分けされ昼夜が判別可能な2トーンカラーのベゼルを装備し、2013年に登場した「116710 BLNR」が人気モデルとなっています。他にも、ホワイトゴールドケースに、往年のペプシダイアルを彷彿とさせる青赤ベゼルが組み合わされた「116719 BLRO」、ステンレスとイエローゴールドコンビ仕様の「116713 LN」、イエローゴールド仕様の「116718 LN」などのラグジュアリー感あふれるモデルもラインナップされています。さらに2018年には、新たに3モデルが追加。ブラックとブラウンの2トーンベゼルが採用された、ステンレスとエバーローズゴールドのコンビ仕様「126711 CHNR」と、エバーローズゴールド仕様の「126715 CHNR」。そして、エレガントなジュビリーブレスレットを採用し、青赤ベゼルが組み合わされた「126710 BLRO」は、久々にリリースされたステンレス仕様のペプシダイアルモデルとして、非常に高い注目を集めています。
高い機能性を発揮する、独特なベゼルを備えたプロ仕様のパイロットウォッチながら、ロレックスらしい高級感とステータス性を備えたモデルで、宝石広場でも全てのロレックスの中で1、2位を争うほどの人気タイムピースとなっています。
GMTマスターの歴史と代表的なモデル
- 1955年〜1959年
- パンナム航空の依頼により初代GMTマスターが誕生。38mmケースでリューズガードはなく、青/赤ツートーンのベゼルはプラスチック製だった。搭載キャリバーはCal.1036からCal.1065、Cal.1066へと切り替わり、精度調整が緩急針のみでなくミーンタイムスクリューも併せて行える改良が施された。発売から数年後、耐久性の観点からベゼルの素材がアルミ製にマイナーチェンジされる。当時のスポーツロレックスには珍しく初代から金無垢モデルが採用されていた為、ロレックスがスポーツモデルの高級化を推し進めていこうとする姿勢がこのモデルからもうかがえる。
- 1960年〜1980年
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- 20年に渡って販売されていた人気のGMTマスター第二世代。主な変更点としては文字盤の夜光がラジウムからトリチウムとなり、リューズガードが装備された。初期のキャリバーはCal.1565を搭載、後にハイビート仕様のCal.1575にマイナーチェンジされた。販売期間が長かったことから、大小様々な仕様変更が施されている。また、この第二世代からロレゾール仕様が追加され、一気にラインナップを拡充した。主な仕様違いとしてリューズガード(ポインテッドガード・ラウンド)、文字盤(ミラー・マット/アンダーバー有・無)、GMT針(大・小)などが存在する。
- 1980年〜1988年
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- ヴィンテージの中でも実用性を兼ね備えたGMTマスター第三世代。防水性能が50mから100mへアップし、キャリバーはクイックチェンジ機能が装備されハイビート化した3000系を搭載。発売から3年ほどで、初期型の「縁なしインデックス」から後期型の「縁ありインデックス」へマイナーチェンジする。また、後期型に見受けられる文字盤上の「DATE」表記の有無でダイヤルの前後期を区別可能。尚、搭載キャリバーのCal.3075はクイックチェンジの不具合がたびたび確認されている為、購入の際は注意が必要。
- 1988年〜1999年
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- GMTマスターUの登場により廃盤となる、GMTマスターの最終モデル。風防にはサファイアクリスタルが採用された。搭載されたキャリバーCal.3175は、このRef.16700の為に開発されたもので、同モデルの生産終了に伴い廃盤となった。1995年頃に、バックルの仕様がシングルロックからダブルロックへマイナーチェンジされる。
- 1982年〜1988年
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- GMTマスターの上位機種として発表された初代GMTマスターU。『ファットレディー』や『ソフィアローレン』の愛称で親しまれている。搭載キャリバーのCal.3085は短針のみを単独で動かすことができ、回転ベゼルの併用で最大3か国のタイムゾーンを把握することが可能になった。また、Ref.16750同様、ダイヤルの「DATE」表記の有無によってダイヤル前後期の判別が可能。GMTマスターとの差別化の為、ベゼルカラーは「ブラック×レッド」の一種類のみで発売された。生産期間が短いため市場での流通量も少ないモデル。
- 1989年〜2007年
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- 18年ものロングセラーとなった第二世代のGMTマスターU。やや分厚いケースだったファーストモデルの16760から、新型キャリバーCal.3185を搭載することによりにケースをスリム化。後に、高耐磁性のCal.3186へマイナーチェンジする。ベゼルカラーは元々「ブラック×レッド」「ブラック」の2種類だったが、1999年にRef.16700が生産終了となるタイミングで「ブルー×レッド」も追加され3種類になる。1995年にバックルがシングルロックからダブルロックへ、1998年に夜光がトリチウムからルミノバへ、2000年フラッシュフィットが無垢になり夜光がルミノバからスーパールミノバへ変更された。また、2003年ラグの横穴が塞がれガラスの6時位置に王冠透かしが入る。
- 2005年
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- GMTマスターの誕生50周年を記念し、スポーツモデル初のセラクロムベゼルを採用したRef.116718LNが登場。文字盤のバリエーションは「グリーン」と「ブラック」の2種類。旧モデルと異なり肉厚なケースの作りで、中空だったブレスは無垢仕様へ。更にバックルはイージーリンクとして微調整が簡単に行える仕様へ変更される。搭載キャリバーのCal.3186はブルーパラクロムヘアスプリングが初装備された。大型化したリューズガードに太くなったラグ、リューズもツインロックからトリプロックリューズへ変更され、この世代から更に堅牢性がさらに増した印象がある。
- 2006年
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- 金無垢モデルに引き続き、コンビモデルのRef.116713LNが発表された。
- 2007年
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- コンビモデルから遅れること1年、オールステンレスモデルが誕生。
- 2007年〜2019年
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- 2013年ごろから、夜光塗料が緑に光るスーパールミノバから青く光るクロマライトへマイナーチェンジする。発光持続時間がスーパールミノバの約2倍。
- 2013年〜2019年
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- ブラックxブルーのベゼルを備えた、初代『バットマン』の登場。特許取得の加工法により不可能と思われたバイカラーのセラクロムベゼルを作り出すことに成功する。
- 2014年〜2018年
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- 通称『ペプシ』をセラクロムベゼルで復活。2018年に126710BLROの発表に伴いデザインの重複を防ぐため文字盤色がブラックからブルーへマイナーチェンジ。しかしブルーへ切り替わるも1年たらずで生産終了になり後継機へ引き継がれる。
- 2018年〜
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- ロレックスの次世代キャリバー32系を搭載した、ステンレスモデルの『ペプシ』がジュビリーブレスレットで復活。またベゼルが「ブラック×ブラウン」のツートーンカラーになった『ルートビア』が登場。 シリーズ初となる、エバーローズゴールドを使用した金無垢モデルと、ロレゾールモデルがラインナップに追加される。
- 2019年〜
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- 『バットマン』のジュビリーブレスレットモデルが新型キャリバーのCal.3285を搭載して登場。同年に『ペプシ』の「メテオライトダイヤル」126719BLROが発表される。
- 2021年〜
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- 『ペプシ』と『バットマン』のオイスターブレスレットモデルがラインナップに追加される。